2008.12.31 17:57|都市計画|
年の始め、地域の力について考えてみました。
以前このブログでご紹介しましたが、ルイス・マンフォード(1895年~1990年)の都市・地域計画論に、これからの日本の国土計画、都市・地域計画再考のヒントがあるような気がします。また日本の都市計画の第一人者である小林重敬氏(武蔵工業大学教授。4月より東京都市大学に大学名変更。新設の都市生活学部教授)の提案とあわせ、再掲ですが概要を抜粋します。
■再び、マンフォードの都市・地域計画論
マンフォードは、彼の著書「The Culture of Cities」(1938年発刊)の中で、近代化・工業化の中の、20世紀の文化と都市への鋭い批判をし、都市の再生と、都市の拡張としての地域ではない地域を単位とした地域計画の再生を提起しました。
都市は、ビジネス・労働の場所としてだけでなく、家族の各層が人間として生活し、文化的な成長発展に必要な社会的交流機能等を重視して整備、計画しなければなければならないし、地域は、都市での仕事のための居住地域だけでなく、地域のすべての土地や自然を健全に開発し、人口が自然資源を破壊するのではなく、それを活用するように配置し、地域全体のどの場所でも文化、社会生活の中心として、しかも洗練された生活の利便性を享受しうるよう、地域を再活性化、修復するよう計画化しなければないない、と言っています。
■小林重敬氏の都市計画の考えとエリアマネジメント
小林重敬氏は、近代の都市計画は、都市への人口集中に伴う市街地の拡大、新社会階層の要求を満たす市街地をつくる「都市化」であったとし、今日の都市構造の転換・課題は、人口減少による市街地縮減に伴う市街地の秩序化とし、21世紀これからは、行政によるコントロール(規制)から、コミュニテイー(協働)とマーケット(市場)が力の葛藤を超えて結集し、持続可能性と創造性ある地域価値を高める新たな都市計画の仕組みを作り出すことが重要だと言っています。また、都市計画は、21世紀特有の新しい生き方を見つけること、そのことによって21世紀を支える新たな社会階層によって支持される仕組みになる、と言っています。また、一方に「グローバル化」をテーマとした競争の時代の都市再生があり、もう一方には、衰退している地区を再生する「協働」をテーマとした地方都市の地域再生があるとし、その地域に関わる住民、地権者、商業者、開発業者等が社会的な組織(協議会等)をつくって地域価値を高める活動をすることであると言っています。お互いの信頼関係を築き、自らの地域や生活を「創ることへの参加」を呼びかけ、そしてコミュニテイーの力で可能な限り自主的に運営されるような仕組みづくり(氏は「エリアマネジメント」と言っている)が必要とし、地区の住民、企業者、自治会、NPO等が主体的に活動する出来るよう支援すべきだとしています。
◆現在の日本の国家財政難、経済・雇用の減速等により、基礎的条件の厳しい集落や農山漁村の活性化だけでなく、中心市街地、工業地域、郊外や地方都市の縮減が、大きな国家的問題となってきています。また、われわれの今後の生活、生き方の問題にもなってきています。上記、マンフォード、小林氏の都市・地域計画論の中に、今後の道が示されている気がします。

□2009年、都市と地域の活性化、まちづくりは「それでも前へ前へ」
もともと、われわれが住んでいるまちには、自然環境にしろ、産業・技術にしろ、観光資源にしろ、街並みにしろ、昔からの祭り、文化・芸能にしろ、その地域特有の良さ・魅力があり、素晴らしい宝があります。昨今言われている地域の再生とか活性化とかは、地域の人々が自分の住んでいる地域の良さの再認識・再発見から始まり、個々の地域の宝をつなぎ新たな宝にしたりすること、つまり、地域の宝をあらためて大切に守ったり改良したり、また異なることと連携したり、新しいことを創ったりするなかで、地域に住む人が連携し、幸せになることだと思います。そして、なにより地域のまちづくりのどこにも所属していない、未だ活動されていない一般の住民の方の参加により実現できるものだと思います。
一般住民の方が、まちづくりに参加するには、それなりの「学び」が必要です。自分のまちの歴史・文化を知り、ルールを知ったり、他地区の活性化の事例やまちづくりの手法を知ることから始められたらと思います。
今年は、「地域力/どこどこ」で福岡を中心に、一般の人が、地域活性化やまちづくりの意見を発表したり、参加して勉強したり発言したりすることの出来る場や団体をご紹介していきたいと思っています。われわれ一般住民が積極的に参加していきましょう。
(マコ)
以前このブログでご紹介しましたが、ルイス・マンフォード(1895年~1990年)の都市・地域計画論に、これからの日本の国土計画、都市・地域計画再考のヒントがあるような気がします。また日本の都市計画の第一人者である小林重敬氏(武蔵工業大学教授。4月より東京都市大学に大学名変更。新設の都市生活学部教授)の提案とあわせ、再掲ですが概要を抜粋します。
■再び、マンフォードの都市・地域計画論
マンフォードは、彼の著書「The Culture of Cities」(1938年発刊)の中で、近代化・工業化の中の、20世紀の文化と都市への鋭い批判をし、都市の再生と、都市の拡張としての地域ではない地域を単位とした地域計画の再生を提起しました。
都市は、ビジネス・労働の場所としてだけでなく、家族の各層が人間として生活し、文化的な成長発展に必要な社会的交流機能等を重視して整備、計画しなければなければならないし、地域は、都市での仕事のための居住地域だけでなく、地域のすべての土地や自然を健全に開発し、人口が自然資源を破壊するのではなく、それを活用するように配置し、地域全体のどの場所でも文化、社会生活の中心として、しかも洗練された生活の利便性を享受しうるよう、地域を再活性化、修復するよう計画化しなければないない、と言っています。
■小林重敬氏の都市計画の考えとエリアマネジメント
小林重敬氏は、近代の都市計画は、都市への人口集中に伴う市街地の拡大、新社会階層の要求を満たす市街地をつくる「都市化」であったとし、今日の都市構造の転換・課題は、人口減少による市街地縮減に伴う市街地の秩序化とし、21世紀これからは、行政によるコントロール(規制)から、コミュニテイー(協働)とマーケット(市場)が力の葛藤を超えて結集し、持続可能性と創造性ある地域価値を高める新たな都市計画の仕組みを作り出すことが重要だと言っています。また、都市計画は、21世紀特有の新しい生き方を見つけること、そのことによって21世紀を支える新たな社会階層によって支持される仕組みになる、と言っています。また、一方に「グローバル化」をテーマとした競争の時代の都市再生があり、もう一方には、衰退している地区を再生する「協働」をテーマとした地方都市の地域再生があるとし、その地域に関わる住民、地権者、商業者、開発業者等が社会的な組織(協議会等)をつくって地域価値を高める活動をすることであると言っています。お互いの信頼関係を築き、自らの地域や生活を「創ることへの参加」を呼びかけ、そしてコミュニテイーの力で可能な限り自主的に運営されるような仕組みづくり(氏は「エリアマネジメント」と言っている)が必要とし、地区の住民、企業者、自治会、NPO等が主体的に活動する出来るよう支援すべきだとしています。
◆現在の日本の国家財政難、経済・雇用の減速等により、基礎的条件の厳しい集落や農山漁村の活性化だけでなく、中心市街地、工業地域、郊外や地方都市の縮減が、大きな国家的問題となってきています。また、われわれの今後の生活、生き方の問題にもなってきています。上記、マンフォード、小林氏の都市・地域計画論の中に、今後の道が示されている気がします。

□2009年、都市と地域の活性化、まちづくりは「それでも前へ前へ」
もともと、われわれが住んでいるまちには、自然環境にしろ、産業・技術にしろ、観光資源にしろ、街並みにしろ、昔からの祭り、文化・芸能にしろ、その地域特有の良さ・魅力があり、素晴らしい宝があります。昨今言われている地域の再生とか活性化とかは、地域の人々が自分の住んでいる地域の良さの再認識・再発見から始まり、個々の地域の宝をつなぎ新たな宝にしたりすること、つまり、地域の宝をあらためて大切に守ったり改良したり、また異なることと連携したり、新しいことを創ったりするなかで、地域に住む人が連携し、幸せになることだと思います。そして、なにより地域のまちづくりのどこにも所属していない、未だ活動されていない一般の住民の方の参加により実現できるものだと思います。
一般住民の方が、まちづくりに参加するには、それなりの「学び」が必要です。自分のまちの歴史・文化を知り、ルールを知ったり、他地区の活性化の事例やまちづくりの手法を知ることから始められたらと思います。
今年は、「地域力/どこどこ」で福岡を中心に、一般の人が、地域活性化やまちづくりの意見を発表したり、参加して勉強したり発言したりすることの出来る場や団体をご紹介していきたいと思っています。われわれ一般住民が積極的に参加していきましょう。
(マコ)
スポンサーサイト